めんどくさいはチャンス?

日本曹洞宗の祖、 1200年生まれの偉大な禅師である道元禅師は、食事をとても大切に考えており、「典座教訓」という本を書いていますが、その中で、ご自身の若いころの経験を記しています。

宋の国に到着したとき、日本からの船が来たと聞き、干しシイタケを買いにきた有名な寺の老僧がいらしたそうです。

道元禅師は、この僧から話を聞きたく、泊っていくようにすすめたところ、「自分は食事の支度をしなければならないから帰る」と言われたとか。聞けばこの僧は、他の寺で住職も務めたのち、再度、志をたてて、現在の寺で修行を行っているといいます。

道元禅師が「せっかく志を立てて修行しているのだから、料理などの下働きは若い者にでもさせたらよい、座禅や仏法について語る方が大切ではないか」とおっしゃったところ、「あなたは修行がわかっていない」と言われたというのです。

道元禅師は、自分が修行のことを少しでも分かったのは、この僧のおかげだ、と述懐しています。そして、現在でも禅では、料理に限らず、日常のすべてが修行であると考えているようです。

そういえば、マザーテレサも、「どれだけのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかが大切なのだ」というお言葉を遺されています。

さて、諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授は、さまざまな活動と前頭葉の活性化を調べていますが、ありふれた行動であっても、心を込めて行うときには、前頭葉が活性化するとか。篠原教授は、きゃべつの千切りで再現性の高い実験を行いました。きゃべつを切ることであっても、心を込めると前頭葉が活発に活動するようです。

私たちは日常生活の中で、つまらないこと、めんどくさいことを、避けて通れないときもあります。そんなときに、いやだなあ、めんどくさいなあ、と思いながらやるのか、それとも、心を込めてやるのか、で、脳のあり方まで変わってくるようです。

食事や掃除のような、直接、誰かの役に立つことはもちろんですが、たとえば、面倒くさい書類を書かなければいけないときに、修行とまではいかなくとも、その書類を処理する方が読みやすいように心を込める、とか、心の込めようはいろいろありますね。

さらに、面倒なことをすると、やはり前頭葉が活性化するとか。篠原教授は、鉛筆けずりではなく、ナイフで鉛筆を削る、ピーラーを使わず、包丁でニンジンの皮を剥く、利き手でない方で掃除機をかける、などの例を挙げています。

ですが、わざわざそんなことをしなくても、私たちの生活の中に、めんどくさいことはありふれています。今度、めんどくさいなあ、と思ったら、「やった、チャンス!」と歓迎してみませんか?

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