慢性炎症で歩けなくなる?

内蔵脂肪型肥満がメタボリックシンドロームに結び付くというのはよく知られています。メタボは単に太っているということではなく、肥大化した脂肪細胞からアディポネクチン分泌が減少し、インスリン抵抗性が増大し、その結果、高血圧、糖代謝異常、脂質代謝異常が集積することで、動脈硬化性の疾患が起きやすくなった状態です。

ですから、メタボの診断としては、内臓脂肪型肥満に加えて、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、高血糖のうち、二つがあることを基準とするのですね。

さて、このように肥満した脂肪組織を観察すると、血管透過性が変化し、マクロファージが浸潤し、さらに血管新生も見られるなど、慢性炎症というべき反応が起きています。

一方、加齢によって細胞の入れ替わり、いわゆる細胞の新陳代謝が悪くなりますが、これによっても慢性炎症の状態が現れます。ごく簡単に言うと、マクロファージが古くなった細胞を処理しきれないため、炎症状態が続くわけです。

こうした慢性炎症は、急性炎症のようなはっきりした徴候がみられないため、「くすぶったような慢性炎症」と表現されますが、これによって炎症性サイトカインが産出され、全身に巡り悪影響を与えるのです。動脈硬化はもちろん、癌、腎臓病、アルツハイマーなど、さまざまな加齢関係疾患に寄与しています。

この慢性炎症の指標となるのが健康診断で出てくることが多いCRPという数値。CRPとはC反応性タンパクのことで、もともと肺炎連鎖球菌による肺炎患者の血液から発見されたタンパク質です。連鎖球菌の細胞壁のC多糖体と結合するためにこのような名称になっています。CRP値は、体内に炎症があるときに増加しますので、炎症の指標とされています。

慶応大学医学部百寿総合研究センターの調査によれば、健康長寿の方はCRP値が低い、つまり慢性炎症が少ないのが特徴だそうです。慢性炎症は老化の原因となるばかりか、筋肉の分解を亢進させてしまいます。つまり、慢性炎症がサルコペニアの原因ともなっているということです。

つまり、慢性炎症によって歩けなくなることもあるわけです。

この慢性炎症の対策としてはまずは肥満予防、そして様々な研究で、身体活動レベルが高いと慢性炎症が低いことも明らかになっています。この場合、筋トレも有酸素運動もともに有効なようです。

適度の運動は常に重要ですね。

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