睡眠で認知症予防

国立精神・神経医療研究センターの北村真吾、三島和夫らが、健康な成人の必要睡眠時間を精密に測定した結果、自覚していない睡眠不足が平均して約1時間あった、という結果を発表しています。そして、この睡眠不足を解消したところ、血糖値の低下、インスリン分泌能の改善などの糖代謝改善や、コルチゾール濃度の低下など、ストレス反応に関わる内分泌機能の改善があり、自覚していない睡眠不足が、からだに負担を与えている可能性を発見しました。

別の研究では、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上の人に比べ、癌の発症率も優位に上がる、というデータもあり、健康のためには十分な睡眠時間を確保することが望まれますが、どうやら認知症予防のためにも睡眠時間は重要なようです。

アメリカのロチェスター大学の研究で、睡眠中に脳内のアミロイドβが排泄されている、ということが示されました。このアミロイドβは、アルツハイマー型認知症の原因物質と考えられています。従来、脳には様々な細胞がいっぱいで、脳脊髄液が老廃物を押し流すことはできない、と考えられていましたが、なんと、睡眠中に、脳のグリア細胞が縮むことで隙間を作り、その隙間を使って、脳脊髄液が、神経細胞を洗っている、というのです。これにより、アルツハイマー型認知症の原因と考えられているアミロイドβの過剰蓄積が防止される、と考えられています。

従来から、疫学調査では、短時間睡眠によるアルツハイマー発症リスクは示されていましたが、この研究によって、そのメカニズムが解明される可能性がでてきたようです。

アメリカのナショナル・スリープ・ファンデーションの調査によると、成人に必要な睡眠時間は7~9時間。6時間睡眠で足りる人は全人口の1%、100人に1人とのことです。もちろん、一見、短時間睡眠の方も、上手に昼寝や居眠りを取り入れている可能性は高いようですし、長いからといって、質の悪い睡眠になってしまえば、健康効果は十分に得られません。

仮説レベルですが、睡眠の質の低下は認知症の前駆症状、という考えも有力であり、昼は覚醒度を高くし、夜はしっかり眠る、というメリハリのある生活が、認知症予防のためにも大切なようです。

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