脂肪以外が減っていくわけ
前回、短期間に体重が減った場合、
多くは脂肪以外のものが減っていると言った。
今日はその理由について。
まず、食べる量が減れば、からだの中に残留する食物が減るのは当然である。
次に、
一般的な成人は、一日に2~2.5Lの水分を摂取する。
このうち、水など直接的に水分として摂取するのが1L、
残りは食物の含まれる形で摂取している。
食物をとる量が減れば、摂取する水分量も減るのだ。
よく水を飲んでも太る、とか言うけれど、
からだが水分不足になっていれば、
水を飲んで体重が戻るのは当たり前なのかもしれない。
さて、それ以外にも、
ある程度の期間、摂取カロリーが低い状態がつづけば、
脂肪が減らずに筋肉が落ちる、という可能性は大いにある。
摂取カロリーが低い状態というのは、
人にとっては、危機的状況である。
食べ物がない!とからだは判断する。
脂肪というのはエネルギーを貯めておく場所だ。
一方、筋肉というのはエネルギーを使う場所。
非常時に、からだはどうするか。
仮に皆さんが会社をリストラされて給料が入らなくなったらどうするだろうか。
そう、なるべく貯金を使わず、
無駄な支出を抑えようとするだろう。
からだも一緒だ。
食べ物がない非常時だと思えば、
貯蓄である脂肪を減らさずに、
エネルギーを浪費する筋肉を減らそうとする。
筋肉を糖新生によってエネルギーへと分解するのだ。
その結果、
脂肪は減らず、筋肉が減る。
筋肉は重たいので、これが分解されれば、
体重は落ちる。
こうして、
体重だけは下がっているけれど、
からだは脂肪の割合が上がっている、
ということがおきるのである。
このように、
からだが飢餓状態と判断すると、
筋肉が落ちてしまうのだが、
同時に、飢餓ホルモンというものも出てくる。
そうすると、どうしても食べたい欲求が強くなるのだ。
そして、リバウンドとなるわけだが、
このときに増えるのは脂肪である。
減少した筋肉は、食べただけでは戻らない。
つまり、リバウンドによって体重が戻ったとしても、
からだの中では、筋肉が減って脂肪が増えている、
というわけだ。