新しい習慣を身に付ける(2)

新しい習慣を身につけるもう一つのコツは、意志に頼らないこと。

意志力は有限のリソースです。あることで意志力を使うと、別のことでは意志力が衰えます。もちろん、鍛えれば意志力も上がりますが、有限のリソースであることは変わりません。

世の中、無限の意志力を持つ人はいないのです。

何かを始めるには、決意とか動機が必要ですが、続けるためには、それだけでは足りないのです。なるべく意志を使わずにすむよう、頭を使いましょう。

第一に、最初から、誘惑の対策を考えておくこと。

早起きしようと思って目覚ましをかけても、目覚ましがなったときに「もう少し寝ていたい」と思うのはわかっています。そのとき、どうするか決めておくのです。

哲学者のカントは、召使のマルティン・ランペに、朝4時45分に起こしてくれるよう頼んでいましたが、その際に、自分がどんなに寝かせてくれと言っても、怒って罵詈雑言を言っても、必ず起こすように頼んでいたそうです。

召使がいない私たちなら、目覚ましを遠くにおいておく(逃げ回る目覚まし、ってのもありましたね)、あるいは、そもそも眠い原因になる睡眠不足を解消するために、前夜の行動にも焦点をあてて、早く熟睡できるように生活を整えるとか。あるいは、運動であれば、最初のうちは、本当に小さい目標をたててからだを動かす気持ちよさを感じるくらいにとどめる、とか。

自分が誘惑におちいらないように、いろいろな手段を考えましょう。

そして、

もう一つ、重要な考え方が、挫折を挫折ととらえないことです。

習慣にすることとは、一日も挫折しないことではなく、あくまでも「習慣を身に付けること」。それなのに、一日やらなかったとか、一口食べちゃったとか、そんなことから、一気にあきらめてしまうことが私たちにはあるのです。

失敗したと思い、自分はダメだと思ったり、ストレスを感じると、脳のセルフコントロール機能は停止してしまいます。

トロント大学のジャネット・ポリヴィとピーター・ハーマンの有名な実験があります。体重計に細工をして、ダイエット中の被験者の体重が、実際よりも2㎏多く表示されるようにしたのです。この被験者たちは、体重が増えたと思い、落ち込んだ結果、憂さ晴らしにやけ食いに走ったそうです。これを「どうにでもなれ効果(The What-The-Hell Effect)」といいます。

こうした「どうにでもなれ効果」を避けるために、挫折を挫折と思わないこと。たとえば早起きであれば、早起きできなかった日があっても、それを挫折と考えない。ダイエットであれば、絶対、甘いものを食べないと思ってて、たまに食べちゃったとしても、そんなこともある、と考えておく、など、思うとおりに行かない日はあり、それでも、長期的にそれが挫折を意味するのではない、とあらかじめ考えておくことです。

ただ、

一つの失敗で、どうにでもなれ、と思ってしまうのは、多くの場合、そもそも自分を外的な褒美で無理やり動かしているから、という側面もあります。外的な褒美のために、自分の本来の欲求を我慢しているから、なにかの折に、その制約を投げ出したくなるわけです。

その目的が、自分の本当の望みであることをしっかりと自覚することは、どうにでもなれ効果を防ぐためにも効果があるのです。

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