マッスルフル=20g説を考える
前回、一食あたりのタンパク質量は
20gくらいが適切ということを書きました。
その際に、
マッスルフル現象について
どうも、こいつには疑問がある、
と書いたのですが、
それについて、
中途半端な書き方をしたので、
一応補足です。
マッスルフル現象というのは、
一食あたりのタンパク質を、
一定量を越えて摂取しても、
筋肉の中のタンパク質合成は、
それ以上、あがらない、
という話です。
いや、それ自体は、
まあ、そうでしょうね、
という話です。
問題は、
このマッスルフルになるのが
一食あたり20gだという俗説が
広がっていることです。
うーん、
実際、一般的に20gであるのは
まちがいのないところなんですが、
でも、たとえば、
体重80㎏の男性と、
体重45㎏の女性がいたとしましょう。
標準的な体型の場合、
男性は体重の半分が筋肉、
女性は体重の3分の1が筋肉、
といわれますから、
この男性の筋肉量は40㎏
女性の筋肉量は15㎏です。
この二人の筋肉が
おなかいっぱいになるのが、
同じタンパク質量、
だなんてことが
ありえないのではないか?
普通に考えて、疑問ですよね。
まして、
ボディビルダーのように、
巨大な筋肉を持つ人たちを
考えれば、
そして、彼らが実際に
摂取しているタンパク質の量を
考えれば、
一食20gというのが、
万人に共通するというのは
おかしいのではないか、
ということです。
これについては、
そもそも、
マッスルフル=20g
というのは、目安に過ぎない、
という話なんですね。
マッスルフルとなるタンパク質量は、
体重(筋肉量)とトレーニング内容
及び年齢によって決まります。
筋肉量が多ければ、当然ながら、
必要なタンパク質も増えます。
また、
全身の筋肉をハードに追い込めば、
必要なタンパク質はやはり増えるわけです。
そして、シニアの場合は、
筋肉のタンパク質摂取量に対する
反応が鈍くなりますので、
より多めの量が上限となります。
ただし、
筋肉の回復のための上限かどうかと、
健康上望ましい摂取量であるかは、
別の問題になります。
ですから、
ほとんどの場合は、
マッスルフル=20g
という考えておけば、
結果的には間違いがない、
と考えていいでしょう。
ただ、
激しい筋力トレーニングをしている人、
筋肉量が多い人、
については、
必ずしも、この数字にとらわれることはない、
ということです。