やる気はスモールステップで

なんとなくやる気が出ない、そんな日は誰にでもありますね。でも、この「やる気」って何なんでしょうか。

脳の中で「やる気」に関わる物質がドーパミンです。

ラットを使った実験ですが、少ないエサを近くに、たくさんのエサを遠くに置いたところ、ドーパミン濃度が低いラットは、少ないエサであっても、近くに取りに行く傾向が強かったそうです。つまり、ドーパミンの少ないラットは、大きな報酬のために大きな労力を払おうとはしなかったのです。

ドーパミンは、報酬(=快楽)の予感によって分泌されます。これによって私たちは行動を起こし、報酬を手にすることができます。また、私たちが、ある行動によって快楽を得た時にも分泌され、その行動と快楽のつながりを強めます。これを強化学習といい、これによって、私たちは繰り返し同じ行動をとるようになります。

さらに、ドーパミンは、強いストレスによっても分泌されます(銃声によってもドーパミンが増えることがあります)。これにより、私たちは危険を避ける行動をとるのです。

このように、ドーパミンは、私たちに行動を起こさせる物質です。

一般には、ドーパミンというと快感物質とも言われ、その分泌によって強烈な快楽を得ると思われています。しかし、その快楽は、ごく短時間のもので、上に述べたように、強化学習のためのものです。パターン化された動作で、予定通り報酬が得られてもドーパミン神経系が活性化することはありません。

つまり、ドーパミンが引き起こす強烈な快楽は、実際には快楽と焦燥感の混ざった欲求で、「予感される報酬を手に入れよう」とか「経験した報酬をもう一度手にしたい」という行動に駆り立てるためのものです。このように、この快楽は、幸福感とは全く異なるものです。

現代社会において、おいしそうなデザート、投資で億を稼いだ人の贅沢な写真、魅力的な新商品など、ドーパミンが大量に分泌されるような場面が非常に多くあります。消費者に、快楽の予感を与えて、欲求を持ってもらうことは、まともなマーケティング担当者なら、誰でも考えること。ですから、世の中にはますますドーパミンを増やすものが増えていくわけです。

しかしながら、ドーパミンは、私たちに幸福を与えるものではなく、あくまでも、欲求を生み出し行動へ駆り立てる物質です。それを得たからといって幸せになることは誰も保証してくれません。

ですが、

ラットの実験でもわかるように、ドーパミンは私たちのやる気をかきたててくれる存在でもあります。ドーパミンが不足すると、意欲減衰、疲労感、無気力、記憶力低下など、さまざまな症状が出てきます。ですから、ドーパミンを、自分の目標達成のために使いながら、増加させたいものです。

ドーパミンを増加させるには、やはり新しい刺激が一番でしょう。新しいことを経験する、新しいことを学ぶ、といったことは、脳にとっては報酬を予感させることなので、人は行動的になりやすいのです。新商品が出るとテンションが上がって、欲しくなるのもドーパミンのせいかもしれません。

さらに、ドーパミンは達成可能な目標を持つこと、そして、それを達成することでも増加します。やるべきことを細かく分けて、それをリスト化し、終わるごとにチェックをしていくと、仕事が順調にはかどることを経験した人も多いと思います。目標をスモールステップに分けて、一つのステップができるごとに、達成感を味わうようにすると、ますます行動的になり、目標達成もしやすくなるのは、この仕組みです。

ドーパミンは幸福そのものに直接かかわらないと言っても、人間が人間らしく生きていくためには、意欲をもって、行動を起こしていくことも必要です。ドーパミンと上手に付き合い、成功体験を重ねていきたいですね。

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