ともにいるということ

マインドフルネスという言葉を聞いたことはあるでしょうか?グーグルやアップル、フェイスブックやゴールドマンサックスなどで、マインドフルネス瞑想が取り入れられ、日本でもすっかりメジャーになりました。

マインドフルネスは、簡単に言うと、批判することなく、「今この瞬間」に集中し、批判することなく、あるがままに現実を知覚する心の状態です。多くの企業では、集中力の向上や生産性向上などの側面に注目していると思われますが、マインドフルネスは、痛みの軽減やストレス低減、うつの予防にも役立っています。

そして、近年注目されつつあるのが、介護を行う人達のためのマインドフルネス。家庭で介護を行う人の多くが、不安や恐怖、疲労を感じていると言われます。長期の介護は、自分では状況がコントロールできない感覚を生み出します。

また、介護者は状態の悪化を常に予測し、そのために、些細な変化や出来事も状態の悪化の兆しと捉えたり、安定を脅かすものと捉えてしまいがち。これによって、心のゆとりはますます奪われてしまいます。

しかし、介護者がマインドフルネスを行うことで、介護者の心も安定し、ストレスへの対処も上手になり、身体的にも、より健康になります。

さらに、介護の相手に向かい合う姿勢そのものにも、好影響を与えます。実際にマインドフルネスを経験した介護者の多くが、自分が相手に対して指示的で、急ぎ、急がせがちであることに気が付くと言われます。

介護者向けの具体的な手法のうち、簡単にできて効果的なものを二つ、ご紹介しましょう。

☆ ストップ練習

認知症の方と共にいて、問題が起きた時、「あれもこれもやらなくてはならない」と、感情的に圧倒されそうになるときがあります。そんなときのために、日頃から、数秒であっても、立ち止まり、深呼吸し、自分の心を観察する、という一連の動きを練習します。

これは一日のうちで、何回も行うと良いと言われます。ストップは、具体的に立ち止まってください。問題が起きた時に、立ち止まり、問題を横に置いて、観察する、という流れを身に付けることで、感情の波に、飲み込まれない練習にもなりますし、衝動ではなく選択によって行動する練習にもなります。

なお、グーグルの、社内用のマインドフルネスプログラムでも、ストップすることは、研修の初日に練習するようです。

☆ ともにいる練習

介護を行うときは、もちろん、自分のペースではなく、相手の歩くペースにあわせざるをえません。ですが、そのときに、心の中で、「遅いなあ」「早く次にいかなくちゃ」など、心の中で他のことを考えていたり、なんとなく、適当に相手にあわせて歩くのではなく、相手の存在を意識して、心から相手のペースに合わせる、という練習をします。

ともに歩くときだけでなく、ともに食事をするとき、ともに座っているとき、相手の存在に集中し、相手の呼吸に合わせ、相手とともにいる自分をしっかり感じて、ともにいるのです。

今、ここに、心からともにいること。その練習が、介護者と介護される人とを、与える側と与えられる側から、かけがえのない「パートナー」へと変えてくれるかもしれません。

~ 見よ、兄弟が、ともに座っている。なんという恵み、なんという喜び ~
(詩編133-1)~

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