声を出していきましょう
「声出していくよっ!」
チームスポーツをやったことがある人なら、そんなことを言ったこと、言われたことがあると思います。
バレーボールなどでは、声を出すことで、仲間に自分の位置を知らせるなどの効果もありますし、ラグビーなどでは、試合中はもちろん、試合前に円陣を組み、大声を出すことで、闘争心を高めていますね。強豪オールブラックスの雄叫びを聞いた時には思わず感動したことがあります。
もちろん、チームプレイじゃなくても、剣道でも空手でも声を出すのは当たり前の光景。筋トレをしていて、
重量のあるものを持ち上げようとしたら、思わず声は出ますよね。
これらの声は、別に根性論でもなんでもなく、科学的に根拠があります。
古くは、東大の猪飼道夫と日体大の石井喜八が
筋力には、生理的な限界だけでなく、心理的限界があり、声出しによって大脳による抑制がはずれ、心理的限界が上昇することを明らかにしました。これをシャウト効果といいます。
なぜ、掛け声によってこのようなシャウト効果があるのか、といえば、大脳の覚醒水準が高まり、さらに、中枢神経系の興奮も高まるから。
つまり、シャウト効果は、単に闘争心や筋力だけの効果ではなく、そのもとになる、脳や神経の興奮を高めているのです。
ですから、何かをはじめるとき、声を出せばやる気が出ます。
もちろん、声を出した方が効果は高いのですが、実際に声を出さなくても効果はあります。ついでに、心の中でガッツポーズを作ってみれば、なお、効果はあがります。
ちょっと元気がほしい、なんとなくやる気にならない、そんなときには、(心の中で)大声で叫んでみましょう。即効性の効果がありますよ。
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なお、余談ですが、
広島都市学園大学の伊藤祥史、藤村昌彦らは、
膝を屈曲させるスクワット法でものを持ち上げるときに、「どっこいしょ」という声を出した場合、出さない場合に比べて、大腿直筋の筋出力が有意に増加し、腰の負担が減った、と報告しています。
特に、腰痛が発生しやすい動作の初期において筋出力が上がるため、腰痛防止によいのではないか、ということです。こちらも試してみてくださいね。