人間関係による慢性疲労に注意

「最近、疲れやすいなあ」なんて感じることはないですか。

疲労は、痛み、発熱と並んで3大生体アラームと言われ、からだの異常を知らせてくれる大切な警報です。

小中学生においては、疲労と学習意欲の低下は、非常にきれいな因果関係を示します。ただし、小中学生の疲労の要因は、睡眠時間、就寝時刻、朝食、テレビ、ゲーム、周囲からの注目などであり、家族や外部から介入しやすいものです。

一方、成人の疲労の原因は、もう少し複合的で、

精神的ストレス:人間関係
身体的ストレス:運動、過重労働
物理的ストレス:紫外線、騒音
化学的ストレス:化学物質
生物学的ストレス:ウィルス、細菌
などですが、

このなかでも、人間関係による精神的ストレスが圧倒的に重要です。

人間関係による疲労には二つの種類があります。

第一に、そもそも環境が不自然であること、つまり、生物としての本能として、狭い場所に長時間、他者と一緒にいることが
ストレスになっている状態です。良い例が満員電車ですが、これは、言い換えると、物理的な人との距離の問題。オフィスが狭くて、大人数でずっと作業していると、それだけでストレスを感じてしまいます。

この対策としては、1、2時間に数分でもトイレの個室だとか、人と接しないところで一息つくことが効果があります。満員電車の中で、ヘッドフォンをして目を閉じている人を見かけますが、こうやって外界を遮断することも有効ですね。

そして、第二の原因として、コミュニケーションがストレスになる場合があります。いわゆる人付き合いの上手な人でもこのような疲労は感じることがあります。むしろ、空気を読まない、わが道を行くタイプの方がこうした疲労は少ないかもしれません。多くの会社で、従業員のメンタルヘルスが問題になっていますが、その大きな原因も、過重労働などと並んで、職場の人間関係です。

人間関係のストレスが大きいと、家に引きこもりたくなってしまいますね。可能であれば、環境を改善し、コミュニケーションの質を変えることも場合によっては必要でしょうが、疲れそのものを早めに解消した方が良いのは、コミュニケーションによる疲労も、他の疲労と一緒です。

軽く体を動かして(激しい運動は逆効果です)、しっかりと睡眠をとることが疲労回復効果が高いと言われています。また、自然に触れること、家族や友人、あるいはペットとゆったり過ごすこと、あるいは、ボランティア活動などで他人の役に立つことを実感すること、などなど、自分にやさしくして、しっかりと疲れをとる時間を意識的に作ってくださいね。

ところで、

やや古いデータですが、1999年に厚生労働省が実施した疫学調査で、6割の人が疲労を感じており、4割の人は半年以上続く慢性疲労を感じていました。この慢性疲労については、一般的な臨床検査では異常がみつからないことも以前は多かったのです。

しかし、現在では慢性疲労の人の生理的な特徴もわかってきています。

一つは、心拍変動の乱れです。

リラックスすると優位になる副交感神経に比べて、緊張状態で優位になる交感神経が、寝ているときも含め、ずっと優位になっているのが、慢性疲労の人の特徴なのです。

次に、

血中の活性酸素による酸化ストレスが一般の人と比べ、慢性疲労の方では数値が高くなっていること。

そして、

疲労によって増える唾液中の常在ウィルスの一つ、ヒトヘルペス6型ウィルスの量が、休んでも減らないことも、慢性疲労の指標になります。

疲労は、はじめは自律神経に現れます。しかし、36から48時間後には内分泌系に影響が及びます。そして、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が高まり、全身に炎症反応を起こし、血管が収縮をするのです。

早め早めに疲れに対応して、溜め込まないようにしてくださいね。

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